こんにちは。
埼玉県草加市、東京都足立区を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
だんだんと暖かくなり、昼間は外で作業をしていると汗をかくような陽気になってきました。
さて、先日足立区の寺院墓地にて新しいお墓が完成しましたので、ご紹介します。
もともと古いお墓がありましたが、それを撤去してすべて新しい石で建て直すフルリフォームの工事でした。
リフォーム後の写真がこちらです。
外柵には福島県産のはなつかみかげ、お石塔にはポルトガル産のSPIという石を使用しました。
SPIは硬質で吸水率が低く経年変化の少ない石で、石目が細かいので今回のような和型墓石で使われることが多くあります。
以前は外柵が一段低く、カロートも小さ目でした。
歴史のあるお墓で石の風化が進んでおり、特に塔婆立ての傷みが激しかったため、すべて新しい石での建て直しとなりました。
また、基礎コンクリートも打っていなかったので地面を掘削して新しく基礎コンクリートを打設してその上にお墓を建てていきました。
施工の様子
お骨をすべて取り出した後、旧墓石の撤去、地面の掘削を行います。
土の中に土台として埋まっていた石などもすべて取り除いていきます。
このくらいの墓所ですと重機ではなく手で作業をしたほうが無駄がなく正確ですので、スコップやつるはしで作業を行います。
地面の掘削が終わったら割栗石を並べて転圧します。
その後型枠を設置、配筋してコンクリートを流し込んでいきます。
寒い時期に工事を行ったため、毛布やシートで凍結防止の養生をしっかりして、コンクリートが固まった後に石の据付を始めます。
石の据付についてはいつも通り、下準備として工場で荒らしの加工を行っています。
石と石のつなぎ目にはステンレスのかすがいを入れて、柔らかいモルタル(注ぎトロといいます)を流し込んでいきます。
これによって石同士がずれにくく、一体化したような状態になります。
コーナー部分にはステンレスの補強金具を付け、石と石を固定していきます。
墓地の都合上、下段(芝台)も四つ合せを使っていますのでそれぞれの石を耐震ボンドで接着していきます。
お石塔も通常通り、墓石用免震ゲルの泰震を入れて、耐震ボンドで接着しています。
これにより地震での倒壊の恐れがゼロとは言えませんが、対策をしていない場合に比べればかなり強くなっています。
最後に目地部分に耐震ボンドを充填して仕上げを行い、化粧砂利をまいてきれいに掃除をすれば完成です。
新しい石なので見た目が明るくなり、お手入れもしやすくなりました。
カロートもかなり広くなり、耐震施工も施したので長く守っていただけるお墓に生まれ変わりました。
お施主様には開眼、納骨の当日にお渡しした施工記録もとても喜んでいただきました。
見えない部分もきちんと施工をして品質を高める努力をしたことや私たちのお墓への思いが少しでも伝わっていれば幸いです。
このたびは御縁を頂きありがとうございました。