こんにちは。
埼玉県草加市、東京都足立区を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
ここ何日かは寒さもだいぶ和らいできた感じがします。
暖かくなってくると外での作業も楽になってくるので、少し春が待ち遠しいです。
さて、先日足立区の寺院墓地にて新しいお墓が完成しましたので、ご紹介します。
お石塔は真壁小目石、外柵は稲田石を使用しています。
どちらも茨城県の銘石として知られており、見栄えや品質の面でもとても高い評価を受けている石です。
余談にはなりますが、それぞれの石の建築事例をほんの一部だけご紹介します。
真壁小目石は福沢諭吉や山本五十六など多くの著名人のお墓として使われているほか、建築材として迎賓館の外壁や三越本店のライオン像の台座などにも使われています。
稲田石は明治神宮や最高裁判所、三井銀行本店など歴史的建造物に多数使用されています。また、昨年全面オープンしたJR東京駅にある丸の内駅前広場の歩道部分にも大々的に使われました。
どちらの石も多くの建造物に使われている実績があり、それだけ日本の風土に合った石ということだと思います。
(石の建造物については別の機会に取り上げてみたいと思います)
施工の様子
今回の墓所は四軒分隣り合って空いていたため、大きな盤になるよう同時に基礎コンクリートを打設しました。
大きな盤とすることで、傾きや沈下に対して強くなります。
地面を掘削して、割栗石を敷き詰め十分に転圧した後、コンクリートを流し込んでいきます。
コンクリートがしっかり固まるのを待って、石を据え付けていきます。
据付前には下加工として、接着面の荒らしや補強金具を入れる穴を開ける加工を行っています。
荒らしの加工についてはこちらの記事で詳しく取り上げています。
雨の日には据付けの下準備を行います
石の据付にはいつも通り、かすがいやL字型の補強金具、ステンレスのだぼ(芯棒)を適所に入れて、より強いお墓にしていきます。
お石塔部分には墓石用免震ゲルの「泰震」を入れて、耐震ボンドで接着しています。
石を据え付けた後は、目地(石と石のすき間)部分に耐震ボンドを充填して仕上げていきます。
日を置いて耐震ボンドが固まった後、全体をきれいに掃除して完成です。
シンプルな形ですが、良質な石を使っているため自然なツヤがあり、品のある佇まいに仕上がりました。
また、お参りやお手入れがしやすく、長く守っていただけるようなお墓に仕上がったと思います。
お施主様には打合せの段階から何度も墓地に足を運んでいただき、施工の様子もご覧いただきました。
お墓の出来上がりを気にして見に来ていただけるのは嬉しいことですし、その時にはこのブログで取り上げているような施工のポイントも直接お伝えできるのでとてもありがたいことです。
長く大切にお参りしていただければ大変嬉しく思います。
ありがとうございました。