こんにちは。
埼玉県草加市、東京都足立区を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
今週初に、埼玉県石材業協会青年部の研修旅行で香川県に行ってきました。
出発の日は台風が通り過ぎた直後で、交通網は大打撃を受けており、羽田空港まで大変な思いをしながらなんとかたどり着いて、現地に向かいました。
(その過程を書くと長くなりますので、この辺にしておきます・・・)
この研修の最大の目的は採石場の見学です。
香川県と言えば、最高級の石材といわれる「庵治石(あじいし)」の産地です。
庵治石とは?
庵治石は香川県高松市にある五剣山で産出される花崗岩です。
庵治石の最大の特長は「斑(ふ)」と呼ばれる模様で、よく研磨すると、この「斑」が浮いてきて、石の表面が二重の絣模様(かすりもよう)のように見えてきます。
この模様は世界の石材でも、庵治石特有のものと言われており、その希少性から石材の単価としては世界一高価と言われています。
また、石を構成する鉱物の結晶が小さく、きめが細かいため、緻密な細工を施すことができます。
そうした特性もあり、加工に適した石としても高い評価を受けています。
今回はこの庵治石の採石場、二か所を見学することができました。
採石場の様子
一か所目は大丁場、二か所目は野山丁場という採石場を案内していただきました。
(採石場のことを「丁場:ちょうば」といいます)
いずれの丁場も、縦横斜めと岩盤に筋が走っています。
多くの花崗岩の丁場では、山の岩盤を切って、大きなかたまりで石を採りますが、庵治石の場合はこの筋が走っているため、大きなかたまりのまま採ることが難しいそうです。
また、大きく採れても小割をすると墓石材には適さないキズ、模様、玉(白や黒のかたまり)が数多くあります。
採石場の方が、「神様がここを造る時、スプーンでよく混ぜてくれればもっとたくさん採れたのに」とおっしゃっていましたが、実際に見てみるとその通りだと実感しました。
下の写真の赤で囲ったところは製品には適さない部分です。
わかりやすいところを囲ってみましたが、実際には目利きの職人さんがもっと小さいキズなどもチェックして製品にしていきます。
高品質な石材ですが、均質な部分が少なく、最終的に製品になるのはたったの数%だということです。
もともとの石材の質が良いだけでなく、徹底した品質管理を行うことで「庵治石」というブランドを確立して守っているということが良くわかる説明でした。
それだけに値段が高くなるのも納得できます。
また、丁場では実際に採石の様子や加工の様子、採石に使う機械のこと、石割の実演など、様々なことを教えていただきました。
現地に行かなくてはわからないことをたくさん学ぶことができ、とても貴重な経験になりました。
まとめ
今回も採石場のスケールの大きさを実感したことはもちろんですが、それよりもあらためて石は自然の恵みであるということを強く感じました。
そして、石を採る職人さんが命がけの作業をしていること、そうやって採れた貴重な石をお墓に加工する職人さんの矜持のようなものも肌で感じました。
そうした方々の努力があって、私たちの手元に届いているんだなぁと改めて感じ、それをお客様に届け、手を合わせていただくお墓にする仕事の重みを痛感しました。
これからもそうした気持ちをしっかりと持って、日々の仕事をしていきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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