こんにちは。
埼玉県草加市、東京都足立区を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
先月末に台風が来ましたが、その影響で塔婆立てが動いてしまったり倒れてしまったりというお墓が数件あり、その修繕を行いました。
もともとの経年劣化や施工不良があったところに、強烈な風が吹いたことが原因です。
また、動いてしまった墓所に共通するのはお塔婆が多くあがっていたという点です。
塔婆立てはそもそも縦長のパーツであることに加え、塔婆がいっぱいだと風が逃げるところがなく、風の影響をもろに受けてしまうようです。
施工前
まずは施工前の写真です。
左右から見るとこんな感じです。
横から見ると完全に倒れてしまっているのがわかります。
後ろの墓石に寄り掛かるようになってしまっていますが、幸いにも倒れた石の方が軟らかかったため後ろの墓石に傷は付いていませんでした。
また、塔婆立てとくっついていた笠木の部分も一緒に動いてしまっていますので、こちらもいったん外して据え直します。
施工の様子
まずは塔婆立てを外します。
外した状態がこちらです。
左の写真の四角く凹んでいる部分に、柱側の凸の部分が入るほぞ穴加工がされていましたが、据付モルタルと石の老朽化もあり効果を発揮していませんでした。
今回の補修では石に穴を開けて、ステンレスの芯棒を入れてセメントペーストを流し込んで固定します。
また、下の石も動いてしまっていて、赤で囲った部分にはすでにすき間ができてしまっています。
こちらにもステンレスのかすがいを入れモルタルで固定して、これ以上石が動かないようにします。
モルタルが固まってから塔婆立ての据付をします。
下の石と新しい塔婆立ての石に穴を開けておいて、セメントペーストを充填します。
塔婆立ての下側には、ずれ防止のためモルタルが入るように切り込みを入れてあります。
塔婆立てを建てて、目地を埋めて掃除をすれば完成です。
直したので当たり前ですが、左右から見てもまっすぐに戻りました。
まとめ
今回の工事では古い石を新しい石に取り替えただけではなく、ステンレスの補強金具を入れました。
これは新しいお墓を建てる時にも行う施工ですので、この補強を行うことで強風や地震に対しても耐力が高まったと思います。
冒頭に今回倒壊した塔婆立ての共通点として、お塔婆がいっぱいだったと書きましたが、お墓を守る石材店の立場から言わせていただくと、お塔婆はいっぱいにならない程度にこまめに抜いていただければと思います。
そうすることで風の逃げ道ができて、風の影響を受けにくくなります。
また、塔婆立ての金具部分のセメントが落ちていたり、塔婆立ての柱の目地が割れていたりする場合には、早めに石材店に連絡を取って補修を依頼してください。
気づいているのに何もしないでいると、ご自身の塔婆立てが倒壊してしまうだけではなく、運悪く近隣のお墓を傷つけてしまうと、そちらの補修分も負担しなければならない場合も出てきます。
台風シーズンは終わりましたが、冬も風が強い日が多くありますので、次回のお墓参りの際には塔婆立て周りを点検してみていただければと思います。
心配なことがある場合にはご連絡いただければ確認をさせていただきますので、早めの対応をお願いいたします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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篠原石材工業有限会社