こんにちは。
埼玉県草加市、川口市、東京都足立区を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
東京都足立区の寺院墓地にて、和型のお墓を建てました。
三尺×三尺(90cm角)の敷地で、丘カロート型という地上にお骨を納める形の納骨室と外柵を兼ねた土台部分です。
その上に和型のお石塔をのせます。
お石塔は神奈川県産の本小松石、外柵は茨城県産の真壁小目石です。
どちらも国産の銘石で加工も国内で行った石です。
寸法の精度や見栄えもとても良い仕上がりです。
ここからは実際の施工の様子をご紹介します。
おおむねいつも通りの施工ですが、こうした施工が弊社の標準と理解していただければと思います。
基礎コンクリートは区画全体ですでに打ってある墓所ですので、あらかじめ水洗いをして据付の準備をしておきます。

一段目の石は下にモルタルを敷いて据え付けます。
この際に位置、高さ、水平を確認、調整しつつ、モルタルが石の下全体にしっかりと入るように作業していきます。
ちなみにこの石の下側はあらかじめ工場で荒らし加工といって、モルタルがしっかりと入るようにあえて凸凹にしてあります。

一段目の石が据え終わったら石のつなぎ目にはボンドを充填し、ステンレスのかすがいを入れます。

かすがいの周りも耐震ボンドで覆ってがっちりと固定します。

次の段からはモルタルではなく、耐震ボンドで接着していきます。
一度仮に置いて、高さ、位置、水平を調整してから、耐震ボンドを入れて本据付けです。
この際スペースの関係で外側から目地ができない部分は水を通さない目地用の耐震ボンドも入れておきます。

もちろんコーナーのつなぎ目には下の段と同じくかすがいを入れてあります。

下から三段目は一枚石の蓋です。
ずれ防止のため、この石の下面と下の石の上面に穴をあけて、ステンレスの芯棒でつなぎます。

下の石との接着面にも耐震ボンドを入れてあります。
ここまで据え付けるとこんな感じです。

次に塔婆立を据え付けます。
塔婆立は縦長の形で、風や地震の揺れの影響を最も受けやすい部分なので、下の石とステンレスの芯棒でつなぎます。

手間がかかる作業ですが、こうした対策をしないと近い将来動いてしまいます。

ここまでで外柵部分は完成です。
この上にお石塔を据え付けていきます。
お石塔は特許を取得している免振ゲルの「泰震」を敷いて据え付けます。
こちらも仮に据え付けて水平、高さを調整してから耐震ボンドを入れて据え付けます。

各段同じように据え付けたら、石と石の隙間部分を埋める目地をします。
目地部分にも耐震ボンドを充填してきれいに仕上げます。

青いテープは周りにボンドが付かないようにする養生テープです。
目地が終われば据付作業は完了です。
最後に香炉兼花立を配置して完成です。

真壁小目石の外柵に深緑の本小松石が良く映えています。
ここの墓地、この石種の組み合わせにぴったりのお墓に仕上がったと思います。
当初お施主様とお話をした際には洋型も良いかなという意見もあり、形と石の組み合わせを色々検討しましたが、最終的に和型に落ち着きました。
石種と形の相性、墓地の形とお墓の形から受ける印象など、普段お墓を見ていないお施主様にとっては想像しにくいものです。
そういった部分をプロである私どもが提案して、図面を書いて、イメージを伝えて形にしていきます。
もちろんお施主様のご意見が第一ですが、その意図を汲んでよりよいものを作れるように、努力してまいりますので、ぜひお任せください。
今回のお施主様も完成後見ていただいた時にはとても喜んでくださったので、私どもも嬉しかったです。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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