こんにちは。
埼玉県草加市、川口市、東京都足立区を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
香炉が壊れてしまっているので新しいものにしたいとご連絡を頂きました。
墓地を確認しに行ったところ、確かにひびがあちこちに入って、崩れそうになっていました。
他にもパッと見て、竿石(一番上の石)がずれて、少し横に向いてしまっているのが気になりました。
こちらはのちの解体の際に撮った写真です。
跡を見るとかなり右に向いていました。
昭和~平成真ん中くらいまでは、石を置いてセメントで目地をしただけという施工が一般的でした。
そうすると地震や道路からの振動などで段々と石がずれてくることがあります。
お石塔は基本的に同じ据え方ですので、それぞれの石が接着されておらず、いわばばらばらの状態です。
石自体はまだまだ丈夫ですので、接着剤を使った耐震施工をすれば今後も長く守っていくことができます。
そういったこともあり、耐震施工もご提案しました。
また、全体の汚れや水あかの付着が目立っていましたので、合わせてクリーニングもご提案したところ、せっかくやるなら全部お願いすると言っていただきました。
そう言っていただいたからには、お客様の予想以上の出来になるよう、一生懸命施工させていただきます。
施工の様子
前置きが長くなりましたが、今回やることは下記の通りです。
- ① 石塔の耐震施工(耐震ボンドによる接着、耐震化に合わせた石の加工)
- ② 外れて動いてしまっていた前の柵石の据え直し
- ③ 香炉の新調
- ④ お花立の交換
- ⑤ クリーニング、コーティング
- ⑥ 目地の補修
施工の順番と前後する部分がありますが、順に紹介します。
まずは① 石塔の耐震施工です。
耐震施工をするにあたって、お石塔を解体し、工場で必要な加工をします。
ボンドがよくくっつくように接着面をきれいにしたり、石の背丈を合わせたりします。
また、補強金具をつけるための穴を彫ることも合わせて行います。
現場での施工は、仮据えした後に接着面に耐震ボンドを充填して据え付けます。
あけておいた穴にアンカーを打ち込んで、L字金具で補強します。
目地部分にも耐震ボンドを充填して接着します。
次に② 外れて動いてしまっていた前の柵石の据え直しです。
この部分は階段を上るときについ手をついてしまうので、よく動いてしまいます。
もともとモルタルで置いただけなので、経年劣化でモルタルの接着力がなくなって動いてしまっていました。
同じ方法ではまたいつか動いてしまうので、下の石にも穴をあけてステンレスの芯棒を入れることにしました。
こうすることで下の石と一体化できるので、強度が増します。
③ 香炉の新調
同じような形で、お石塔と同じ黒い石でできた香炉に取り替えました。
ステンレスのお皿と網も付いているので、お線香が最後まで燃え切ります。
灰のお手入れも楽になります。
④ お花立の交換
鋳物のお花立が付いていました。
機能面ではまだ問題はありませんでしたが、腐食してくるのは時間の問題ですので、今回ステンレス製の取り外せるタイプに取り替えました。
簡単に取り外せるのでお掃除がとても楽になります。
ここまででだいぶ長くなってしまったので、⑤ クリーニング、コーティングと⑥ 目地の補修については次回にします。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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篠原石材工業有限会社