こんにちは。
東京都足立区、埼玉県草加市、川口市を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
ご納骨の依頼と合わせて、お墓のクリーニングのご依頼を頂きました。
本小松石(神奈川県産の安山岩)のお石塔です。
石種の傾向として、安山岩系の石は汚れが付着しやすいです。
特に日のあたらない北側は汚れが溜まりがちです。
それに加え、コケとカビも付いてしまっています。
各所を見ていくと汚れの度合いがよりよくわかります。
字が彫ってある正面の左の面が北側にあたります。
正面に比べ、汚れが溜まっています。
正面の白っぽいプツプツはカビです。
一番汚れやすい水鉢のお皿です。
磨いていない場合が多いので、汚れが落ちにくくなります。
こちらは芝台(下段)です。
お石塔とは違う白河石ですが、汚れの種類としては同じです。
小叩き仕上げという仕上げで、磨いていないのでそれにあった方法での施工が必要です。
施工の様子
傷が付きやすい石なので、強い力を加えず慎重にクリーニングしていきます。
手順としては
- 水洗いとスクレーパーでざっと汚れを落とす
- ブラシで細かい部分や磨いていない部分を洗う
- 本小松石専用の洗剤で洗う
- 水気をふき取る
というような順番で施工をしていきます。
まずは水をたっぷりとかけて汚れをふやかして、スクレーパーやタオルで落とします。
スクレーパーはホームセンターでも買えますが、刃物ですので取り扱いに注意が必要です。
落ちた汚れを流しながら進めていきます。
目地部分や文字の中は歯ブラシや細いブラシで洗うときれいになります。
小叩き仕上げの部分は、叩き目に沿ってブラシを動かして、目の底についた汚れもかきだします。
叩き目は白い線を境に、赤線の方向に付いています。
各所に合った道具を使い分けながら、側面も洗います。
下の写真の赤線部分を境に手前が施工後、向こうが施工前です。
施工前後での違いが一目瞭然です。
全体の水洗い、ブラシ洗いが終わったら洗剤を使って、コケやカビも落とします。
洗剤ごとに使い方が決まっていますので、しっかりとそれに従い、石を傷つけないよう十分注意しながら施工をします。
たまに墓地で「インターネットで買った洗剤を使って掃除しても良いですか」と聞かれますが、用法をきちんと守ったり、周辺の養生などをしたりすれば大丈夫ですが、そのあたりは十分な知識と経験が必要ですので、あまりお勧めはできません。
取り返しが付かない事態になる可能性もあるので、できるかぎり専門の石屋さんにお願いしたほうが良いです。
最後に水をかけて、しっかりと流して、水気をふき取って施工完了です。
施工前後の比較を並べてみます。
全体で見てもだいぶ明るくなりました。
今回はあわせて古くなったお花立ても使いやすいものに取り替えました。
スポっと外れるタイプですので、外してのお掃除がとても簡単になります。
クリーニングとお花立ての交換をして、きれいにお手入れしやすくなったお墓で気持ちよくご納骨を迎えていただけたと思います。
今後のお掃除もだいぶ楽になったと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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