こんにちは。
埼玉県草加市、東京都足立区を中心に仕事をしている石材店、篠原石材の篠原匠です。
9月26、27日に当社も加盟する、日本石材産業協会主催の「国産銘石アドバイザー研修」に参加してきました。
今回は当社でよく使う茨城県の真壁小目石と稲田石の研修ということで、採石場や加工場などを見学してきましたので、それぞれの石の特徴や採石場の様子などをご紹介します。
今回は真壁小目石についてです。
真壁小目石とは?
真壁小目石は茨城県桜川市真壁町の加波山の一帯から産出される石です。
当社でもよく使用する石ですが、首都圏から近いということもあり関東ではとてもポピュラーな石です。
首都圏の寺院墓地で、真壁小目石のお墓が建っていないお寺というのはほとんどないといっても過言ではないくらい、圧倒的な実績、ブランド力があります。
良質で飽きのこない石目が特徴で、お墓はもちろん、歴史ある建造物にも使われています。
有名人のお墓でいうと、福沢諭吉や力道山、山本五十六などのお墓に使われています。
また建造物では、2009年に国宝に指定された迎賓館赤坂離宮をはじめ、東京駅や国会議事堂などにも使用されています。
国家の一大プロジェクトに使われるくらいの石ということで、見た目はもちろん、品質が良いというのも頷けると思います。
また、当社でもよく使用すると書きましたが、振り返ってみるとブログでご紹介したお墓だけでも結構あります。
2018/07/27 東京都足立区でお石塔の据付けをしました
2018/03/08 東京都足立区でお墓を建立しました
2018/02/27 東京都足立区でお墓を建立しました
2017/12/15 東京都足立区でお墓の建て直しをしました
なんといってもこれまでの実績があるので、経年変化が少ないことがわかっていたり、質・量ともに安定供給されていたりするので、価格が安定していておすすめしやすい石だと言えます。
そしてもちろん、墓石としての質が高いだけでなく加工の技術についても、真壁小目石を熟知した職人さんが加工しているので安心できるというのは大きな強みです。
採石場の様子
まずは写真をご覧ください。
採石場を見に行ってまず感じたのは、そのスケールの大きさです。
上の写真は採石場を上から撮ったものですが、その大きさや深さがわかるかと思います。
重機の上の赤い丸で囲まれた部分には作業をしている職人さんが三人いるんですが、それと比較すると重機の大きさや切出される石の大きさに驚かれるかと思います。
また、周りを見回すと石というのは大自然の恵なんだなぁと実感しました。
石屋の中では採石場のことを山とも呼びますが、本当に山を掘ってそこから石を切り出しているのを見ると、ここからお墓になるまでには壮大な物語があるんだということをしみじみ思いました。
そして採った石全てがお墓として使えるわけではなく、その中からキズがないか、色味が偏っていないかといった品質について、慎重に吟味を重ねて一部だけが使用されます。
そういった面からも、石を大切に扱わなくてはいけないなと改めて肝に銘じました。
加工場の様子
採石場を見学した後には、採れた石を加工する工場を見学しました。
先に見たように採石場で採れた石はとても大きいので、採石場で運搬できる大きさに小割され(小割と言っても大きいですが)、加工場に運ばれます。
それを加工場で切ったり磨いたりして、お墓の一部の石になります。
上の機械は石を切削する機械で、この刃は直径が三メートルほどありますので動くとものすごい迫力があります。
大きさに合わせて、こうした機械で石を切って形を作っていきます。
形ができたら今度は石を磨いていきます。
石を磨くのは段々と石の表面を平らにしていくということですが、工程が多く手間がかかります。
上の写真の左側にカラフルなものが縦に並んでいますが、これは石を磨く砥石です。
段階に合わせて種類があって、一つずつ順番にかけていく必要があります。
一つでも飛ばしたり、仕上がりが甘かったりすると、表面が光らなかったりツヤが長持ちしなかったりします。
石によっても砥石のかけ具合や工程が違うので、知識だけでなく経験も必要な難しい作業です。
こうした作業を経て、ようやくお墓の一部の石になります。
この後、当ブログでご紹介しているような据付などの施工を行って、お墓が完成します。
まとめ
今回は真壁小目石の採石場と加工場についてご紹介しました。
稲田石については次回の記事でご紹介します。
こうして書いてみると、お墓を作るというのは本当に長い工程があって、壮大な物語のようなものだと思います。
石を扱うというのはそれぞれの段階で大変な作業ですが、亡くなった方のために人が手を合わせるものだとわかっているからこそ、携わる人は大変でも一生懸命できるのだと思います。
今回採石場と加工場を見学して、多くの作り手が関わって大切なお墓を作っているということをお客様に伝えていかなければいけないと感じました。
ほとんどのお客様が出来上がったお墓しか見る機会がないと思いますが、その背景にはたくさんの苦労や頑張りがあることを少しでも知っていただければ嬉しく思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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